香りの散歩道


ピーター・パン

墨絵・朝野泰昌
春から初夏にかけての気候を表す、こんな言葉があります。
「二月の雪、三月の風、四月の雨が美しい五月をつくる」。

日本と同じように四季のあるイギリスでも、「四月の雨が五月の花をもたらす」と言われているそうです。
この時期に降った雨は、初夏の花や緑を輝かせてくれるのですね。

ガーデニングの国とも言われるイギリスのロンドンには、王室にゆかりのある8つの王立公園があります。
たくさんの花や木が、季節ごとにさまざまな表情を見せてくれ、市民の憩いの場として親しまれているとか。

その一つ、ケンジントン・ガーデンズは、ダイアナ妃の住まいだったケンジントン宮殿のある公園です。
ここは、イギリスの劇作家ジェームズ・バリーが書いた物語、『ピーター・パン』の舞台でもあることをご存じですか。

「え?『ピーター・パン』は、ウォルト・ディズニーが作った物語じゃないの?」と思われた方。
彼はバリーの原作の大ファンで、少年時代、学芸会でピーター・パンを演じたこともあるそうですよ。

ケンジントン・ガーデンズには、作者のバリー自身が彫刻家に依頼して造ったという、ピーター・パンのブロンズ像があります。
少年が木の上で笛を吹いている姿は、まるで原作から飛び出したよう。イギリスでは、たくさんの人に愛されているピーター・パンの像です。

花も緑も美しい公園で、思い思いの時間を過ごす。
そんなひとときを、ピーター・パンも楽しんでいるのかもしれませんね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



香りの散歩道TOPへ
 /  TOPへ  / 歳時記へ